釋淨空。                         
俗称は、姓を徐、名を業鴻と言い、1927年2月15日に、中国安徽省廬江県に生まれ、幼少の頃を福建建甌にて過し、第二次世界大戦当時は、貴州国立第三中学に学び、終戦後、南京市立第一中学にて学ぶ。 1949年、台湾に渡り、実践学社に勤務。 公務の余暇に経史古文を研究し、それに前後して、方東美先生・章嘉大師・李炳南老居士等に追随し、13年にわたり哲学と佛教経典を研究。1959年、台北市圓山臨濟寺において、剃髪・出家し、法名を覺淨、呼名を淨空とする。 具足戒を受けた後、国内外において佛法を一般に広め、《華嚴經》・《法華經》・《楞嚴經》・《圓覺經》・《六祖壇經》・《金剛經》・《淨土經》等の、大乘經論数十種について述べ、現在それらのCD・VCD・カセット・ビデオ等を作成。 現在その数は、3千数百巻にのぼり、それら大量に製作した佛法経典に関する講義のCD・VCD・カセット・ビデオ等を世界各地に分け送り、それにより佛法を一般に広めるという今だかつてない『視聴教育』という方法を取り入れられた。 また、《大藏經》、及び、各種経論善書は、その数千冊にのぼり、多種多様な佛菩薩像が数百万、全世界を流通している。 また、老法師は、国内で相次いで華藏法施會・華藏精舎(寺・僧坊)・華藏佛教視聴図書館・華藏講堂・佛陀教育基金會を創立された。 老法師は、かつて、以下を歴任された。
●台北圓山臨濟寺の最高責任者(書記)●十普寺三藏學院教師 ●南普陀佛學院教師  ●中國佛教會設計委員  ●弘法委員 ●東方佛教學院教授件教務主任  ●松山寺大専佛學講座講師 ●中國内學院院長  ●中國文化學院教授  ●中國佛教會大専院校佛學講座總主講●天主教東亞精神生活研習所教授  ●華藏法施會會長  ●華藏精舎住持 ●華藏佛教図書館導師  ●華藏淨宗學會會長  ●佛陀教育金會董事長 ●アメリカ・ダラス佛教會會長  ●シンガポール淨宗學會導師
老法師は、国内外において、「淨宗學會」15箇所成立の促進を唱え、修道の行の専門研究と、淨宗を広めることに専念することを提唱された。 古稀(70歳)の年を超えられた現在は、国内外の佛教団体における一切の職務を辞され、佛法を広め教えることに専念され、誠実に念仏し淨土に生きることを追求されている。 老法師は、『“佛教”の正しい呼名は“佛陀教育”である』と、初めて唱えられた方である。 また、老法師は、大乗佛教の教育方針とは、徹底的に迷信を打破し、真の知識を啓発し、“真・妄・正・邪・是・非・善・悪・利・害”をはっきりと区別することである、と指摘されている。また、“理智・大覺・奮發・進取・樂觀”を築き、進歩的な慈悲を以って世界を救済するという宇宙観こそが、衆生(全ての息年生けるもの)全ての一切の苦難を完全になくし、真実で恒久的幸福な教育目標を獲得できるのである、とも述べられている。
老法師は、1977年の始めに、「中華民族百姓宗祠(中華民族の祖先を合祀する廟)」の建設を唱え、華人の居留地すべてにおいて、たくさんの「中華民族百姓宗祠」建設するよう提唱された。これは、人々に誠信忠敬・繼孝思・篤人倫・隆國運・開太平を教えることを主旨とされたものである。 また、「文言文(文語文)」は、過去・現在・未来の三世において、共通の言葉であり、中華文化独自のすばらしい長所であり、世界文化で最も偉大な発明であり、数千年前の人類の知恵と経験の宝を現代人に伝えることのできる大切なものであるので、必ず「文言文」を勉強して、それを後世に伝えていかなければならないとおっしゃっている。 文化を理解し、世界に徳を行き渡らせ、衆生に恩恵を及ぼし、みなその平和を得るための、強く丈夫な基礎はここ「文言文」にあるとおっしゃられている。老法師は、第6台湾総統の就任前に、台北市の中國佛教會にて《仁王護國般若經》の講義を以って祝辞とされ、教育が、国・世界を救うということを、特に協調された。 とりわけ、東アジア各国の、菩提心(悟りの境地を得ようと願う心)のある人々が、心を合わせ、手に手を取って協力し、全人類が本当に平和で幸福な、繁栄のある新時代の実現を求めることを希望された。老法師曰く: 「現代は極めて混乱しており、人はそれぞれ天下泰平を願っている。 もし、全世界を救済しようと願うのであれば、現在の災難を救うことが差し迫った急務であり、すべての悪い物事を無くさなければならないが、それには、衆生が、善意を持ち、良い行いをし、良い話をし、良い人間にならなければならない。
 この目標の達成を願うのであれば、ただ、ひたすらに大乗佛教教育を提唱することであり、それには、古今東西の賢者の金言教訓をよりどころとし、みなが同じ目標を目指すことである。」佛陀曰く: 「見和同解、戒和同修也。」 そこで、老法師は、多くの書を集めて、格言の考え方を抜粋された。 例として: 《佛教大藏經》、《中國四庫全書》、《薈要》、《史艦》、などの書をことごとく抜粋し、要点を編集・記録して、世界各地に流通させることで、衆生が勉強し、理解し、修行できるようにしておられる。 これは、古来の賢者が苦心して残した金言教訓を無駄にしない為である。 
以下は、格言抜粋・編集・記録の要領である:
一、はっきりわかり易く短い句を用い、長文は使わない。
二、実用的な教えを用い、実情に合わない虚偽の話は用いない。
三、これら賢者の金言格言を、本人の修養・家庭幸福・事業成功/失敗の教訓とする。 社会調和・国家富強・世界平和・各民族/学派/宗教の共存共栄の諸目標を抜粋の基準とする。
四、分類をして一冊に編集/改訂し、各言語に翻訳し世界に流通させる。 中華文化のすばらしい点を紹介し、理想社会を促進していくことを我々の理想目標とする。
五、例えば、イスラム教やキリスト教等、西洋学術の金言教訓格言の優れた部分のように、もし、世界中に広く流通させることができるのであれば、同じ目標の上に、共存・共栄して、調和した理想社会の中で、お互いに助け合い恵みを分かち合うすばらしい世界を建立することができる。
これは、老法師一生を通しての教育の方向性であり、尽きることのない悲願である。